水素社会を実現するシステム開発、始まる

化石燃料には限りがあるしそれを燃やせば環境破壊につながる。と英仏では将来電動車のみにする体制を整え始めた。けれど電気をすべて再生可能エネルギーで作らなければ意味がなく、蓄電容量で性能が制限される。

EVよりも、水しか出さない燃料電池車(FCV)のほうが優れていると思う。

FCVの商用化で先行する日本では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が一昨年、「水素分野の技術戦略策定に向けて」と題したレポートを提出。そこには水素の製造技術および利用技術、国内外の市場規模や動向、「Power to Gas」(再生可能エネルギーを利用して水素を製造し、余剰電力を貯蔵する)システムといった、水素による社会インフラの全体像が描かれている。

そしてきょう、NEDOが公募した「水素社会構築技術開発事業/水素エネルギーシステム技術開発/再エネ利用水素システムの事業モデル構築と大規模実証に係る技術開発」において、株式会社東芝、東北電力株式会社、岩谷産業株式会社の3社は、基礎的検討フェーズからシステム技術開発(実証)フェーズへ移行し、「Power to Gas」システムの開発を始めると発表。福島県浪江町を実証エリアとして1万kW級の水素製造装置を備えた水素エネルギーシステムを構築し、2020年度中に実証試験を行うとした。

事業では、再生可能エネルギーの導入拡大を見据えた電力系統の需給バランス調整のための水素活用事業モデルおよび水素販売事業モデルを確立させて、新たな付加価値を有するエネルギーシステムの開発・実用化を目指す。同システムは、市場における水素需要を予測する水素需要予測システムと電力系統の需給バランスを監視制御する電力系統制御システムからの情報をもとに、水素エネルギー運用システムが水素製造装置等を含めた最適運用を行うことで、再生可能エネルギーの利用拡大を実現するという。