高野山大学の歴史的資料をデジタル化し一般公開

NTTデータ関西とNTTデータは、高野山大学に保管されている仏教や密教に関する歴史的貴重資料をデジタル化し、高野山大学の公式サイト上で一般公開を開始した。両社は、広く一般に公開することを目的としたデジタルアーカイブ事業に共同で取り組んでいる。

高野山大学は1886年に創設された日本でも最も古い伝統を有する大学であり、密教の最高学府。密教の根本道場としての役割に加え、教育機関として1200年の伝統があり、同大学図書館に蓄積されている仏教や密教に関する資料は30万冊にもおよび、国内有数の蔵書数を誇る。

蔵書には、国指定重要文化財をはじめとした多くの古写本や版本を含んでいる。仏教・密教の研究者のみならず、国文学・国語学・歴史学など国内外の研究者から注目されており、貴重な文化財としての価値を持っている。

しかし、これら歴史的資料はこれまで十分なデジタル化が行われておらず、誰もが自由にアクセスし、活用できる状況にないという課題を抱えていた。そこで、バチカン教皇庁図書館をはじめとして多数のデジタルアーカイブシステムの構築実績を有するNTTデータグループと3者で連携し、「高野山アーカイブ」を構築した。

高野山アーカイブはAWSを活用して、NTTのデジタルアーカイブソリューション「AMLAD(アムラッド)」により構築した。デジタル化した仏教や密教に関する歴史的貴重資料をAMLADが提供する高機能閲覧ビューワにより閲覧できる。

また、一般的に判読が難しい写本等の旧漢字(訓点、装飾文字)、くずし字に対して活字を表示させる機能(翻刻機能)を備えている。

世界遺産である高野山は、1200年間に渡って継承されてきた歴史・文化を中心とした国際観光都市であることから、デジタルアーカイブを活用して文化発信を行うことで観光振興・地域活性化にも寄与できるという。