H.265/HEVCに対応する映像伝送システムを開発

エクスプローラは、最新映像圧縮技術である「H.265/HEVC」に対応したエンコーダ・デコーダからなる映像伝送システムを開発した。現在、普及拡大している4K映像に対応したシステム。2017年8月から注文を受け付け、10月に出荷を開始する。

H.265/HEVCとは国際標準化された動画圧縮規格の1つ。ブロックサイズの適正化など圧縮効率が優れており、「MPEG-2(H.262)」比で約4倍、「H.264/AVC」との比較でも約2倍の圧縮性能を有するという。スーパーハイビジョンなど高解像度な映像だけでなく携帯端末向けの映像配信での利用も想定されている。

医療やセキュリティ、防衛、ビデオ配信分野などにおいて、映像の高精細化と動画像が主体となることによるモバイルデータトラフィックは増大している。そのため、画像圧縮によるデータ量の削減は、早急に解決すべき課題だ。

これら映像の高度化が進んでいる産業では、高能率な最新映像圧縮技術であるH.265/HEVCが必要とされている。

今回、エクスプローラが開発したH.265/HEVC 4K映像伝送システムは、H.265/HEVCリアルタイムエンコーダ・デコーダシステム。専用ハードウエアを利用している。

産業機器で必要とされる「Main4:2:2 10プロファイル」と「4K60P」に準拠しつつ、従来のフォーマットである2K(フルHD)画像にも対応する。

Main4:2:2 10プロファイルとは、カラーフォーマットが「4:2:2」であり、配信用映像に用いられる「4:2:0」フォーマットと比較して色差情報量が2倍であり、ビット深度が10ビットでより高い階調性を表現できる高画質な伝送フォーマットだ。

入力インターフェースには、伝送速度12Gb/sの「12G-SDI」が標準搭載され、高能率なHEVC符号化によりIP伝送システムへ低レートでの高画質な送出を可能にする。

これらの機能をサポートしながら小型化・低消費電力化を図っており、今後の4K映像の普及に伴い求められる映像伝送インターフェースの高速化とIP伝送ネットワークでの伝送量圧縮などの顧客ニーズに応えられるという。

また、従来システムでもコスト面や効率性を重視しているため、多くの分野での活用が期待される。