下水道法の改正にも対応するクラウドサービス
2015年に内水氾濫対策や持続的下水道機能の確保を目的に「下水道法」が一部改正され、「5年に1回以上の点検および結果の記録・保存や適切な維持管理」が義務化された。しかし、管理者となる地方自治体では、施設の老朽化、予算や人員の削減などにより下水道事業を取り巻く環境は以前よりも厳しくなっている。
国際航業、メタウォーター、管清工業の3社は、それぞれが培ってきた技術・ノウハウを結集し、ウォータービジネスクラウド(WBC)上で下水道管路の点検・維持管理業務を効率的に支援する各種サービスを展開する。
WBCとは、メタウォーターが提供する、上下水道事業を支援するクラウド型プラットホームを活用したサービス。巡視・点検などをタブレット端末で効率的に行なえるツールである「SFN(スマート・フィールド・ノート)」を活用する。
このクラウドサービスでは、SFNを活用して巡視・点検などの情報をタブレット端末を用いて現場で入力、サーバへ保管する。入力したデータを基に定型帳票を作成する機能を備えており、業務の効率化を図ることができる。
SFNは施設の巡視・点検などの内容をあらかじめセットできる。また施設単位に点検ポイント、気づきを残すことができ、技術の継承に生かすことに役立てられる。
また、国際航業が開発した「クラウドGIS」(地理情報システム)をWBCに搭載。現場への緊急出動時に図面などの施設情報を事前に準備する必要がなく、タブレット端末を持って行くだけで現場での情報検索、対応、記録が可能。組織全体での共有化を促進させる。
さらに、管清工業が開発した下水道維持管理データベースである「KANPACK」を搭載。住民からの苦情をワークフローで登録でき、職場全員で苦情内容・最新の進捗などを共有できる。
その他、KANPACKとGISの連携によって、データの蓄積により優先順位を決定し、点検調査・改築修繕などの計画策定を支援する。
3社は今後も下水道施設全体(管路・設備)の維持管理業務でのIT活用によって、的確な計画立案、効率的・効果的な現場業務の推進に貢献すると説明する。