千葉銀行ら6行、AIによる文章解析技術の実証実験

株式会社 千葉銀行は2017年7月28日、「TSUBASAアライアンス」加盟行、T&Iイノベーションセンター株式会社と共同で、AI(人工知能)の文章解析技術導入に向けた実証実験を開始することを発表した。加盟行6行での本格導入を見据えている。

今回の実験の目的は、株式会社FRONTEO(以下、FRONTEO)が独自に開発した人工知能「KIBIT(キビット)」の文章解析技術を用いて、資産運用の相談や投資型金融商品の販売にかかる顧客との面談記録から、顧客のニーズ分析や営業活動における課題抽出のためのモニタリング業務に活用すること。

KIBITは、人工知能関連技術「Landscaping(ランドスケイピング)」と行動情報科学を組み合わせた日本発の人工知能エンジン。人間の心の「機微」(KIBI)と情報量の単位である「ビット」(BIT)を組み合わせたものに由来し、「人間の機微を理解する人工知能」を意味している。

Landscapingとは、少数の教師データの特徴を解析しつくすことで、未知のビッグデータを判断する人工知能のコア技術のこと。FRONTEOによると、人間の暗黙知や感覚を学ぶことで、テキストから文章の意味を読み取り、人間に代わって判断や情報の選定を行うことができるという。

千葉銀行は、今回の実験にTSUBASAアライアンス加盟行とT&Iが共同で取り組むことで、数多くの事例の収集・学習やノウハウの共有が図られ、解析技術の向上にもつながると説明する。

TSUBASAアライアンスとは、フィンテックをはじめ先進的なIT技術を調査・研究するために発足した枠組み。2017年7月末時点で千葉銀行、株式会社 第四銀行、株式会社 中国銀行、株式会社 伊予銀行、株式会社 東邦銀行、株式会社 北洋銀行の6行が加盟している。

今回の実証実験の結果を踏まえた上で、各行はサービスの本格導入を検討する予定。