デンソー、サイプレスの車載向けMCUとフラッシュメモリを採用

米国Cypress Semiconductorは2017年7月27日、株式会社デンソーがサイプレスの車載向けマイクロコントローラー(MCU)「Traveo」製品群と「FL-S Serial NOR Flashメモリ」製品群を採用したことを発表した。

Traveoは、3Dグラフィックを実現した「ARM Cortex-R5」ベースの大容量メモリを搭載した自動車向け32ビットマイコン。高速な処理性能と低消費電力での動作が可能である点が特徴だ。また、機能安全やセキュリティに対応したシステムや先進的なネットワークシステムにも対応する。様々な自動車向けアプリケーションに適合可能な製品。

FL-Sメモリは、サイプレス独自の「MirrorBit NOR Flashプロセステクノロジー」をベースとした大容量のシリアルNOR Flashメモリで、各セルに2ビットを格納できる。

2017年トヨタ新型カムリ向けのデンソー社インスツルメント・クラスターは、オーディオやビデオ、ナビゲーションを利用可能な4.2インチ、および7インチのセンターディスプレイ。

サイプレスは、世界大手の自動車メーカー企業と協業し、高級モデルから大衆車までを対象に、先進運転支援システム(ADAS)や3Dグラフィック・ディスプレイ、無線接続ソリューション、フル機能タッチスクリーン、高機能ボディ制御といった車載システムの開発に取り組んでいる。

同社の車載事業部担当シニア バイス プレジデントの布施 武司氏は「デンソーは当社のTraveo車載MCUファミリを最初に量産採用いただいた重要顧客。このフラッグシップ デザインでの採用によって長年にわたる同社との良好な関係を継続できることを喜んでいる。当社の高性能で価格効率の高いプラットフォームは、マスマーケット向け自動車における最先端グラフィック性能の実現に貢献。Traveoの次世代プラットフォームの開発に向け、引き続き当社の重要顧客であるデンソー社との緊密な協業を行う」と述べている。