KDDI、IoT向け通信「LTE-M」の市街地実験を福島、沖縄で実施

KDDI株式会社は2017年7月26日、IoT向け通信規格である「LTE-M」 の屋外実証実験を2017年7月18日に福島県福島市内で開始したことを発表した。沖縄セルラー電話株式会社の協力のもと、沖縄県那覇市内でも実証実験を開始する予定。

LTE-Mは、IoT向け通信技術であるLPWA(Low Power Wide Area)技術の1つで、3GPPリリース13に基づくLTE標準規格。LTEとは「Long Term Evolution」の略で、現在の第3世代携帯電話(3G)を進化させた通信規格だ。従来の通信規格よりも通信速度が速く、大量のデータを一度に送受信できるのが特徴で、スマートフォンが普及している現状に適した通信規格と言える。

また、LTE-MはLTE規格の中で「カテゴリーM1」とも呼ばれる。通信速度を最大1Mビット/秒に抑え、上りか下りを切り替えて通信する「半二重通信」などを採用して消費電力を抑えている。LTEをベースにしたIoT向け通信方式には、最大通信速度を200kビット/秒程度に抑えた「NB(Narrow Band)-IoT」がある。

今回の実証実験では、市街地での実環境下において、LTE-Mの実際の利用シーンを想定。社会インフラや物流、宅内、ビルなど様々な環境における通信品質や電波浸透度、端末のバッテリー消費、スループットなどの技術検証を実施する。KDDIによると、LTE-Mの屋外実証実験を市街地で実施するのは国内で初めてとなるという(2017年7月26日時点)。

同社は今後も実験を重ね、LTE-M、NB-IoTの両方式について2017年度の商用化を目指す。