物流不動産の所有・運営・開発を手掛けるプロロジスは、EC物流業務代行の株式会社アッカ・インターナショナル(以下、アッカ)と、基本合意書を取り交わし、物流分野における次世代技術の活用に取り組むことを発表した。物流事業社では省人化への取り組みとして新技術の開発や導入を進めているが、公開されるケースは少ない。
今回の合意により、プロロジスが運営する賃貸用物流施設「プロロジスパーク千葉ニュータウン」において、ロボットによる物流業務を開始する。プロロジスは、ロボット導入にあたり施設仕様の最適化などを支援。アッカが、2017年7月にテスト稼働を開始し、荷主であるビルケンシュトック社日本法人の賛同を得て、8月には実際の物流業務を実施する予定。
使用するのは、AI(人工知能)機能を持つ無人搬送ロボット30台。ロボットは、ステーションと呼ばれる出荷場所まで荷物を載せた棚を自動で運ぶことで、ピッキングや棚入れ作業時の人による作業量を軽減する。このロボットはギークプラスが開発したもので、中国最大のECモール、アリババグループの「T-mall(天猫)」などが採用。プロロジスによると、国内の物流施設では初の導入となるという。
プロロジスは、物流現場のニーズに応える次世代の物流施設のあり方を検討しており、国内における第一弾として取り組んだ。今回のロボット導入を通して、物流施設内のIoT(モノのインターネット)化や、AI・ロボット活用による施設面での課題を検証する。また、実証実験によって得られた知見やデータの公開を予定し、9月には荷主企業や物流事業者を対象とした見学会を計画中。
また、ギークプラスは日本市場の参入を果たすべく、日本法人を2017年8月1日に設立すると発表している。