1800倍のデータ使い天気予報を配信

近ごろの天気予報はよく当たる。というと、反論する人もいるだろう。けれど事実その蓋然性は現在、およそ8割5分なのだ。そんな数字をたたき出すメジャーリーガーは即殿堂入りだし、錦織圭さんがそんな確率でファーストサーブを続けたらきっとグランドスラムを達成する。

スポーツやカードゲームなどで確率は客観的に扱われてほぼ納得がいくのに、天気予報のそれとなると、人は実相よりも自分が嫌な思いをしたことばかりに支配される。わがままに応える同時に、より切実な願いを叶え、深刻な事態を避けるべく――。株式会社ウェザーニューズは、気象予測の精度向上を狙い、超局地的な予測モデルを新たに開発し、スマホアプリ「ウェザーニュースタッチ」にて提供を開始したことを発表した。

スマホアプリの「マイ天気」や「天気予報Ch.」からアクセスできるほかに、ウェブサイトの「ウェザ--ニュース」からも利用できる。新たな予測モデルの解像度は1kmメッシュ、更新は5分毎と、高解像度・高頻度の超細密天気予報を実現。従来運用されてきた予測モデル(最詳で5kmメッシュ/1時間更新)と比較すると、メッシュ数は25倍、計算するデータ量としては1,800倍となる。

これまで予報センターの意図を予報に反映しきれなかった数〜十数kmと影響範囲が狭い積乱雲――の予測が改善し、毎日の天気予報の精度向上だけでなく、ゲリラ豪雨などの"局地的"かつ"突発的"な現象や、標高差を加味した気温の予測および熱中症の警戒情報など、従来の予測モデルでは困難だった現象や地域への天気予報がより正確に行えるようになるという。

同予測モデルが、天気予報の可能性を広げ、気象予測の未来の進化につながると期待している。ウェザーニューズは、今後も観測データや現地ユーザーからのフィードバックを元に、同予測モデルを継続的にバージョンアップしていく構えだ。