「安全」の説明責任を果たす

かつては、「正しい製品」を作ることが安全性を証明する手段であった。しかし近年、さまざまなシステム、特にソフトウェアが大規模かつ複雑化していて、正しい製品を作り上げることは難しくなっているため、いかに「正しい方法」で作ったかを説明し、それを証明することが求められている。

プロジェクトの実施過程で記録されるデータ(不具合、改修情報、工程管理、構成管理等)は、開発生産性向上のためのデータであり、その記録だけでは説明責任を果たせない。開発プロセスにおける各工程の成果物間のトレーサビリティ確保は、品質と説明責任のための基本であり、特に機能安全規格(IEC61508、ISO26262 等)ではトレーサビリティの確保は必須事項だという。

国産初のCASE(Computer Aided Software Engineering)ツール発表以来、29年以上に渡って自動車、防衛航空宇宙、半導体、デジタル家電、OA機器、医療機器など幅広い業種での導入・ソリューション提供実績を持つ、キャッツ株式会社はきょう、システム開発における成果物間の関連性を管理できるトレーサビリティツールプラットフォーム「ZIPC TERAS Ver.3.0」の販売を始めた。

約80社に導入されている従来バージョンよりも一層、既存のドキュメント類(MS Word、Excel、PowerPoint、MATLAB/Simulink、PDF、TEXTファイル 等)の効率的なトレーサビリティの要素化、管理ツールとの連携強化(JIRA、Git)、より大規模な開発への対応を可能にしている。

(株)NTTデータと共同でトレーサビリティ関連サービスを充実させるという。ZIPC TERASの事例が、今年9月8日開催の「第22回ZIPCユーザーズカンファレンス」にて、マツダ(株)と古河AS(株)に紹介される。