ゲリラ豪雨対策に有効なレーダー開発を支援する可視化ツール

サイバネットシステム株式会社(以下、サイバネット)は、自社で開発・販売・サポートする汎用可視化ソフトウェア「AVS/Express(エーブイエス・エクスプレス)」の新バージョンVer8.4を販売開始したと発表した。気象レーダーのデータ把握機能やドローンとの連携機能を強化した。

近年、局地的大雨(ゲリラ豪雨)などの局所的気象災害の観測、予測のため空間分解能、時間分解能を高めたレーダーの開発・設置が進められている。サイバネットでは、気象関連研究者の業務支援のために、これらのレーダーによって取得される大規模な観測データから、災害発生時の大気の3次元構造や時系列変化をより詳細に把握するための可視化ツールの開発を行ってきた。

特に、フェーズドアレイ気象レーダーの可視化については、依頼元の国立研究開発法人 情報通信研究機構様の協力を得て、初期の観測データから3次元可視化、動画の作成などを行ってきた。フェーズドアレイ気象レーダーとは、国立研究開発法人 情報通信研究機構、国立大学法人 大阪大学、株式会社東芝が共同開発した、高時間分析能、高空間分析能で降水を3次元観測する気象レーダーのこと。

今回のバージョンアップでは、今まで開発した機能を「気象データ可視化ライブラリ」として追加。ライブラリに登録されたアプリケーションを利用することで、気象データの可視化に必要となる地図、高さの凡例、複数等数値面、ボリュームレンダリングを併せて表示可能になった。フェーズドアレイ気象レーダーのデータの可視化や、その他の気象レーダーや気象解析結果データの可視化にも利用できる。

また、ドローンなどの外部機器との連携を強化。空撮データの代表的なフォーマットであるOBJ(Wave front OBJ)フォーマットに対応しました。既存のOBJ ファイルの読み込み機能に、テクスチャの読み込み、表示機能を追加した。サイバネットによると、ドローンで空撮した建物や地形などを3次元で再構築しテクスチャを貼ったデータに、シミュレーション結果を重ね合わせることでより臨場感のあるデータの表示が可能になったという。