品川区、スマホによる道路劣化診断サービスを利用開始

株式会社富士通交通・道路データサービス(以下、FTRD)は2017年7月19日、同社が提供する「道路パトロール支援サービス」を東京都品川区が2017年6月から利用していることを発表した。区道の維持管理レベル向上と業務効率化に活用している。

道路パトロール支援サービスは、スマートフォンに内蔵された加速度センサーとGPSで車両走行中に自動的に道路の凹凸データを収集し、地図情報と組み合わせて路面の劣化状況を可視化することで修繕箇所の優先度決めを効率的に実施できるサービス。

走行中に発見した道路の異常を写真撮影しコメントと合わせて地図上にマッピングするとともに、パトロール報告書を自動的に作成する業務管理機能を備える。また、住民からの要望案件を登録・管理する機能とパトロール報告書を組み合わせて、要望の受付から対応結果までを一元管理できる。

品川区では、区内を3つのエリアに分け担当する委託先事業者が日々巡回パトロールを行い、道路利用者の安全性や快適性を確保するために道路の異常や路面段差などに対応している。品川区道総延長328キロメートルの維持管理業務の中で道路パトロール支援サービスを活用。

日常点検時にスマートフォンを使って路面の凹凸や段差ポイントを的確に把握し対応処置を行う。また、その結果を修繕計画の根拠データとして補修優先度の決定に有効活用。区民をはじめとする道路利用者の安全性向上と維持メンテナンス業務の効率化を目指している。

品川区 防災まちづくり部 道路課長 多並知広氏は「道路管理者にとって路面の点検を効率的に行い、優先度を決めて的確に補修を実施することは、安全で快適な交通網を確保するために必要なこと。区民、道路利用者の満足度向上につなげていくためにICTを有効活用し、そこから得られるデータを使ってより迅速かつ効果的にメンテナンスを行うことが重要と考えている」とコメントしている。