みずほ銀行とDNP、捺印が不要な電子契約サービスを共同開発

株式会社みずほ銀行(以下、みずほ銀行)と大日本印刷株式会社(以下、DNP)は2017年7月18日、「みずほ電子契約サービス」を共同開発したことを発表した。みずほ銀行から顧客に融資する際、顧客の捺印やみずほ銀行との契約書授受をインターネット上で完結させるサービス。みずほ銀行は4店舗で先行導入し、今後全店舗に向けて拡大する予定。

みずほ電子契約サービスは、インターネット上で融資に関する契約締結を行う。金融機関がサービスによって顧客へ契約書を掲示すれば、利用者はいつでも契約を締結することが可能になる。

金融機関が顧客に対して融資するには、顧客との間で融資に関する契約を事前に締結することが必要になる。従来の紙による契約の場合、契約書面に自署・捺印を実施するため、顧客が来店したり、金融機関の担当者が訪問したりする必要があった。みずほ銀行によると、契約締結までに時間を要する場合があったという。

このサービスでは、みずほ銀行が独自の認証局を立ち上げている。認証局とは、電子証明書の発行や電子署名の付与、無効となった電子証明書のリストの保持などを行う機関を指す。認証局が発行した電子証明書を活用して契約締結を実施することでで、電子署名によるなりすましの防止や情報の改ざん防止を図る。

実際にサービスを利用する場合、利用者は専用のWebサイトにログインし、掲示された契約書の内容について承認作業を行う。契約書に電子署名とタイムスタンプが自動的に付与され、サービス利用者専用Webサイト内で自動保管される。保管された契約書は、電子署名とタイムスタンプが付与されているため、従来の紙の契約書と同等の法的根拠を持つ。これにより、契約書の完全ペーパーレス化が図れることから、利用者と銀行にとって、紙の契約書の保管スペースや管理負担の削減が見込めるという。

みずほ銀行は今後、みずほ電子契約サービスの全店展開、電子署名を活用した契約締結を幅広い領域で活用できるように取り組む考え。 DNPは、契約手続きの電子化のニーズが増えていることを踏まえて、他の金融機関へも拡販する予定。