出光興産株式会社(以下、出光興産)は2017年7月13日、一般財団法人 石油エネルギー技術センター(以下、JPEC)の2016年度事業「IoT技術活用による自主保安高度化技術に関する調査」の実証実験に参加したことを発表した。
実証実験は、経済産業省の「平成28年度IoT推進のための社会システム推進事業(自主保安高度化事業)」の一環。幹事会社であるアクセンチュア株式会社をはじめ、関係機関の協力のもと、出光興産の愛知製油所で実施した。IoT(Internet of Things)を活用した運転管理業務の高度化、ビッグデータ解析による設備異常の早期検知・アラート、若手フィールドマンの経験・技術力の補助などの効果の確認を目的として行われた。
装置の巡回点検結果をモバイル端末から入力することで、現場の状況について若手点検員と制御室のベテラン技術者との間で即時に共有し、適宜助言や指示を送り、また点検の抜け洩れなどヒューマンエラーの低減の効果があることを確認した。
また、運転データを用いた解析モデルの構築により、異常の早期検知による設備信頼性の向上の可能性が示された。この解析を通じ、若手エンジニアの経験を補足する効果があると考察。電話回線をベースとした専用通信回線を採用し、低コストで安全な通信が可能であることを確認した。
出光興産は今後も、各製油所の保全技術の向上と円滑な世代交代に向けたIoT導入検討を推進し、安全・安定操業と競争力強化に努めると説明する。