AIを活用したペット型対話サービスを発表――ハウスコムら3社

不動産賃貸仲介業者のハウスコム株式会社(以下、ハウスコム)は2017年7月12日、機械学習型ペット対話サービス「AI PET(アイ ペット)」のβ版をリリースしたことを発表した。同サービスは、株式会社ビットエー(以下、ビットエー)、データセクション株式会社(以下、データセクション)と3社共同で開発を進めていた。

AI PETの共同開発プロジェクトは、2016年9月に発足。従来の自然言語解析と固定スクリプト対話型を組み合わせたチャットボットによる、より自然な仮想人格との対話を実現することをコンセプトに開始された。

今回は第一弾として、ペットの仮想人格をテーマにサービスをリリース。犬/猫の種別、年齢、基本性格などが設定可能。既に正式リリースに向けたユーザーテストを開始しており、2017年7月時点で約1000人のユーザーによって10万件前後の対話が人間とペットAI(仮想人格)の間で行われているという。

AI PETは、ディープラーニング(深層学習)ベースでの感情値分析とレスポンス文生成型を採用。ユーザーにより入力された文章を解析し、その文章に含められた意味と方向性を類推する。これに対して何を返すべきかという基本構文を生成し、そこから文章生成に特化したAIが「文章として再生成」を行う形と、ディープラーニングによる直接生成を行う形を取る。

単語からの文章生成部分にはデータセクションの「AI 記者」エンジンを利用。そこから出力された文章を性格設定や年齢設定、種別設定などで決められた値に変化させてレスポンス文として返す。

ユーザーとの会話の中から「喜、怒、哀、怖、恥、好、厭、昂、安、驚」の10の感情を類推して学習する。会話を通じて趣味嗜好の学習も進み、話しかけていくことで仮想人格はさらに分岐。ユーザーそれぞれの個性を獲得していくという。

今後は地域情報データベースと連携し、「○○公園に行こうよ」「新しいお店できたって知ってた?」のような情報をペットの人格を通じて発話させる予定。3社は住環境と人間をつなぐハブ、またはコンシェルジュサービスなどへの活用を目指す。