太陽光発電型の風力発電システムを開発――日立パワーソリューションズ

株式会社日立パワーソリューションズ(以下、日立パワーソリューションズ)は2017年7月12日、太陽光発電協調型風力発電システムを開発したことを発表した。太陽光発電事業者を対象に今回開発したシステムを活用する発電サービスの提供を2017年7月に開始する。

日立パワーソリューションズは、全国で300基以上の風力発電設備、蓄電池併設の出力変動緩和制御型風力発電システムを7カ所納入した実績を持つ。

近年、国内では再生可能エネルギーの導入需要の高まりや固定価格買取制度の施行に伴い、再生可能エネルギーが電力系統へ大量に連系されてきた。多くの地域で系統連系容量が不足し、新たな発電設備を連系できないという問題が生じている。また、再生可能エネルギーの中で最も導入された太陽光発電では、気象や日照時間の影響が大きく、一定量の発電が難しいため送電線や変電所の利用率が低いという課題もあった。

同社が開発した風力発電システムは、系統への影響を軽減する出力変動緩和制御技術と、既設の太陽光発電の連系枠と発電出力から追設する風力発電の出力制御値を予測する発電出力予測技術を組み合わせた。既設の太陽光発電設備が持つ連系枠の範囲内で同じ連系点に風力発電設備を追設し、その出力を制御する。

また、同社独自のオリジナルの発電シミュレータを活用。既設の太陽光発電設備の日射条件や最大発電出力から風力発電設備の追設可能量を算出する。現地の風況と事業性の観点から追設する風力発電設備を構築することで、最適な太陽光発電協調型風力発電システムを提案するという。

さらに、風力発電設備の追設に必要となる環境アセスメントや工事計画届の届出、電力会社との協議、用地の確保に掛かる各種許認可申請、輸送計画などの事業推進サポートや稼働後の保守サービスを組み合わせて提供する。保守サービスでは、全国8カ所の風力発電設備保守サービス拠点と本社にある遠隔監視・支援センターにおいて24時間365日体制で監視する。