NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は2017年7月12日、AI(人工知能)技術の一種であるディープラーニング(深層学習)を活用して、録画映像から不審者などの特定人物を自動検出するAI人物検索サービス「Takumi Eyes」の提供を同年7月14日に開始すると発表した。
Takumi Eyesは、録画映像からAIが自動的に不審者などを検索して特定するサービス。NTT Comによると、多くの監視カメラ映像を目視で長時間モニタリングする作業を自動化することで、異常などの見逃しを軽減できるという。また、1時間の映像から特定の人物を探す作業は目視の場合では通常1時間かかるが、同サービスを利用すれば15分以内で人物を自動的に特定できると説明する。
Takumi Eyesで活用されるAIは、NTTのAI関連技術「corevo」を構成する技術の一つ。AIが同一人物を特定するための要素をあらかじめ学習しているため、後ろ姿や様々な向き、角度、モノクロ画像の人物でも検索できる。
また、現在利用中の監視カメラで録画した映像のファイルから、特定の人物が何時何分にどのカメラに映っていたかを時系列で追いかけることも可能。サービス利用企業がNTT Comへ映像ファイルを送付すると、同社が検索結果をレポートする。
また、新規に監視カメラ導入を検討中する企業向けに、オプションとしてAI人物検索とクラウド型監視カメラをセットにした「クラウド監視カメラパッケージ」を用意。AI人物検索に加えて、人数カウントや動線マップなどの映像解析、監視カメラの購入、設置・保守などを一括提供する。
Takumi Eyesの販売価格は個別見積もり。クラウド監視カメラパッケージは初期費用(機器設定費用)が1万5,000円(20台まで)、1台当たりの月額費用が4,980円。NTT Comでは、APIを用いた既存の監視カメラとのシステム連携によるAI人物検索の利用や、ライブ映像からリアルタイムにAIが人物を追跡する機能など、新たな映像解析を強化・拡充する計画だ。