株式会社クボタ（以下、クボタ）と住友化学株式会社（以下、住友化学)は2017年7月11日、コメの低コスト生産の共同実証実験を開始したことを発表した。クボタの農業機械、低コスト栽培技術、ICTと、住友化学が持つ農薬・肥料・種子や栽培ノウハウとの連携を強化する。
クボタは農業機械の販売に加え、新しい栽培技術の提案やICTを活用した営農支援システム「KSAS」、農作物の販路拡大提案などにより、日本農業の課題解決に取り組んでいる。
住友化学は農薬をはじめとする農業資材を開発・提供することで、農業生産性の向上を支援。これら資材を組み合わせた総合的農業支援「トータル・ソリューション・プロバイダー」型ビジネスを展開し、その一例として独自品種を用いたコメの生産・販売事業に取り組んでいる。
両社はこれまでにも、播種と同時に処理できる殺虫・殺菌剤やこれらの薬剤を土の中に撒く農薬施用機の開発を共同で実施してきた。
今回初めて、クボタグループが運営する農場「クボタファーム」で共同実験を開始。クボタファームで、住友化学のコメ品種「コシヒカリつくばSD1号」などを、鉄コーティング直播技術、住友化学の農薬・肥料を用いて業務用米として栽培する。また、生産過程において、クボタのKSAS農機で収量・品質などのデータを蓄積し、生産性の向上を目指す。
両社は将来的には、生産したコメの輸出を検討するとともに、自動運転農機やドローン、高性能農業資材等と組み合わせたより効率の高い栽培体系を構築・実証する予定。これを農家に提案し、低コスト栽培技術の各産地への普及につなげていくと説明する。