フル高精細度(HD)LCDビデオ・プロセッサを発表、インターシル

ルネサス エレクトロニクス株式会社の子会社であるIntersil(以下、インターシル)は2017年7月11日、最新世代の車載SoCとのインタフェースを提供する「TW8844 LCDビデオ・プロセッサ」を発表した。

SoCとは、System on a Chip」の略称で、システムを単一のチップ(あるいは1枚のシリコンダイ)に集積したものを指す。

TW8844は、アナログ・ビデオ・デコーダ、2つのスケーラ、「MIPI-CSI2 SoCインタフェースを搭載した初の高精細度(HD)1080p LCDビデオプロセッサ。自動車の後退時による死傷事故防止のための米連邦自動車安全基準(FMVSS-111)に準拠したリアビュー・カメラ・システムの実現に向けて自動車メーカーが必要としている高い信頼性を提供するという。アナログ・カメラ・システムからデジタル・カメラ・システムへの移行を可能にする他、様々なビデオインタフェースと最大1920 x 1080のフルHD LCDパネル解像度をサポートする。

自動車メーカーは全ての新車モデル向けにリアビュー・カメラ・システムの標準装備化を進めている。米国では高速道路交通安全局(NHTSA)が2014年3月、児童交通安全法(KTSA)の一環として、重量1万ポンド未満の全ての車両を対象に、自動車メーカーに「後方視認技術」の標準装備を義務付けている。

この規則では、自動車のギアがリアに切り替えられた際、ドライバーがクルマの後方を視認でき、死角を最小化しなければならないことを定めている。幼い子供を巻き込むことの多い後退による死傷事故を減らすことが目的の法律。2018年5月以降に米国内で販売される全ての新車に対し、リアビューカメラの搭載と、ギアをリアに切り替えた際にリアビューカメラの表示を2秒未満に行えることを義務付けている。

インターシルでは、TW884xは堅牢性の高いリアカメラアーキテクチャを採用しているため複雑介しているセンター・スタック・システム固有の高速起動信頼性に関する課題を克服できると説明する。また、TW884xはSoCやカメラ出力を監視し、フリーズや破損状態を判断し、何らかの問題を検出した場合はSoCをバイパスしてリアビューカメラのビデオを瞬時に表示するという。