2時間半で映像がムンクの画風に

知的に情報を処理する人工知能(AI)、とくにディープラーニング(深層学習)が近年脚光を浴びている。

大量のデータを幾重もの層で自動処理して解を導き出す。それは頭脳ゲームに活かされ、画像や音声認識、情報分析などで実用が進んでいる。

マーケティング分野では、商品レコメンドやユーザー分析などでAIが活用されていて、コピーや画像・動画などのコンテンツ生成までの自動化は先端領域として研究開発が進んでいる。 そして、ディープラーニングを用いたクリエイティブの自動生成をすでに実現しているという。と同時に、従来の仕組みではその処理速度とコストが課題になっていたという。データアーティスト株式会社と株式会社IDCフロンティアは、高度なデータ解析が可能なGPU搭載のクラウドサーバーを用いて、AIによる動画コンテンツの自動編集を高速化する実証実験を行った。

"データを知恵に"変えるプラットフォームを提供するデータアーティストの自社ミュージックビデオを、「IDCFクラウド GPU BOOSTタイプ」上のNVIDIA(R) Tesla(R) GPUアクセラレータ M40搭載サーバー1台を用いて、ディープラーニングで特定の画家の作風を自動で学習させコンテンツを編集した。結果、従来CPU搭載サーバー20台で33時間32分かかったこの処理を、2時間26分で終えた。

両社は93%の処理時間短縮を実現し、ディープラーニングを用いた処理を安価に行えることを証明した。