飯田グループホールディングス株式会社(以下、飯田GHD)は、大阪市立大学と共同で、人工光合成技術による「IG パーフェクトエコハウス」の実証実験を2017年内に沖縄県宮古島で開始すると発表した。
実験用のIG パーフェクトエコハウスは、飯田GHDのグループ会社である株式会社飯田産業(以下、飯田産業)が沖縄県宮古島市における大規模リゾート計画地内で建設中。この実証実験で、太陽光エネルギーから水素を作り出し、発電給湯を行う技術を確立。2020年に「人工光合成技術による二酸化炭素消費型の新しい住宅」の完成を目指すというもの。
飯田GHDによると、二酸化炭素から水素源となるギ酸を生成・貯蔵し、このギ酸から水素を生成して電気を作ることが実現できれば、新たな人工光合成の応用技術になると考え、研究を開始したという。この人工光合成技術を開発することで環境に優しい未来住宅が実現できると考え、これをIG パーフェクトエコハウスと命名して共同研究を進める。
これまでも太陽光エネルギーを利用して二酸化炭素と水からギ酸を生成する技術は研究されてきたが、その反応効率の向上や反応が溶液系に限られているなど実用化に必要な課題があったという。
大阪市立大学人工光合成研究センターと飯田GHDによる共同研究部門は、2017年に以下2 つの技術を開発した。
(1)太陽光エネルギーを利用して高効率でギ酸を生成・貯蔵し、このギ酸から水素を生成する新しい人工光合成技術
(2)、(1)の生成水素から高効率で発電する新技術
人工光合成技術では、太陽光エネルギーでギ酸を作り、 これをタンクに貯蔵し、電気が必要なときにギ酸から水素を生成し発電する。また、二酸化炭素の排出を抑制することに加えて、二酸化炭素の活用が可能になるという。