東芝メディカルシステムズ、電子カルテの機能を強化

東芝メディカルシステムズ株式会社(以下、東芝メディカルシステムズ)は2017年7月10日、画像ファイリングもできる医事会計・電子カルテ一体型システム「TOSMEC Aventy 2.0」の機能強化を図った。診療所・クリニック向けソリューションとして経過型カルテ、査定・返戻分析オプションなどを7月中旬から順次搭載する。

新たに追加される経過型カルテでは、従来の見開き型のカルテ画面に加えて、患者の検査結果、バイタルや症状初見など診療に必要な様々な情報が一覧して時系列で確認できる。これにより、患者の推移を即座に把握可能になった。

また、画面を構成する8つのパネルのレイアウトは自由にカスタマイズでき、多様化する診療スタイルに合わせて柔軟に使用できる。

厳格化するレセプト審査への対策として、査定・返戻分析オプションを選択可能にした。株式会社エ―アイエスが提供する医療データ分析ソフト「査定返戻」をオプションで搭載できるようになった。査定返戻は、保険請求のために医療機関から提出された診療報酬明細書(レセプト)を、審査支払機関が審査した結果の査定・返戻情報のCSVデータを取り込むだけで、査定や返戻の集計・分析を行うことが可能。査定や返戻となった対象レセプトの内容を集計・分析することで、業務フローの見直しと次回以降の査定返戻防止につながる。東芝メディカルシステムズによると、医療機関の経営マネジメント向上が図れると説明する。

総務省「平成25年版 情報白書」によると、日本における高齢化率(総人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合)が2025年に約30%に達するとみられている。その一方、65歳以下の生産年齢人口が減少することで、国民医療費が大幅に膨れ上がり財政が危機的状況を迎えると言われている。

迫りくる2025年問題に向けた改革として、地域医療連携による効率的な患者ケアや地域で高齢者を見守る地域包括ケアシステムの構築が急務の課題となっている。こうした背景の中、診療所やクリニックに求められる機能は「かかりつけ医」と「在宅医療」であり、一番身近な医師として超高齢社会の仕組みを支える重要な役割が求められているという。

東芝メディカルシステムズでは、長期的に手厚い患者ケアを提供する開業医を、最新の製品・サービスで支援していくという。