株式会社みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)、株式会社みずほ銀行、丸紅株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社は2017年7月6日、ブロックチェーン/DLTを活用した豪州・日本間での実貿易取引を完了したと発表した。
ブロックチェーン/DLTとは、ブロックチェーンおよび分散台帳技術(Distributed Ledger Technology)のこと。信頼できる管理者が不在でも、参加者の合意形成ができる仕組みによって取引が実現できる技術。取引の改ざんが事実上不可能であり、二重取引の防止や監査性に優れているなどの特徴がある。資金決済分野や証券分野など様々な金融業務への適用や、土地の登記記録への適用など広い分野での活用が期待されている。
みずほFGによると、貿易取引では、数多くの関係者の間で原産国や商品明細などの取引ごとに異なる情報の伝達が必要になるという。そのため、情報が多岐にわたることで電子化が進まず、数多くの書面を利用し、世界全体で多大な事務作業・コストを費やしている状況だと説明する。
今回の取り組みでは、豪州と日本との間での貿易取引において、信用状発行から貿易書類受け渡しまでの業務をブロックチェーン/DLT技術を利用したアプリケーション上で行い、取引を完了。その結果、貿易取引でブロックチェーン/DLTを利用することに関する効果・課題を確認した。
具体的には、従来数日を要していた受け渡しを2時間で実現するなど、貿易書類受け渡しにかかる時間の短縮化が図られた。また、貿易書類電子化による書面発行と郵送に掛かる時間や人件費といったコストを削減。さらに関係者全員に取引状況が共有されることで、取引状況の「見える化」が可能になったという。