カード利用安心アプリを実証

ウェブなど電子商取引でのカード決済機会の増加、それに伴うカード不正利用の増加により、カード事業者には、カード会員がより安心かつ安全に決済カードを使える環境の整備が求められている。

消費者保護の観点から大手カードブランドでは、不正利用検知を目的としてカード利用時の顧客への通知をルール化する動きがあり、一部カードブランドでは来年3月からこのルールが適用開始される予定だという。
TISインテックグループのTIS株式会社は、スマホでクレジット/デビット/プリペイドなど各種決済カードの利用管理ができるクラウドサービス「CARD×DRIVE(カード・ドライブ)」を搭載したアプリを、カード利用者に使用してもらう実証実験を済ませたことを、きょう発表した。

カード会員の顧客満足度向上を目的にしたスマホアプリ向けAPIと、顧客接点の強化ができる管理システムをクラウド形式で提供するサービス「CARD×DRIVE」は、不正利用を早期検知するプッシュ通知、カード事業者からのレコメンド配信等の機能を自社アプリからAPIを呼び出すことで、スピーディに実装・リリースできる。
これにより、昨年11月から3ヶ月間、カード会社の協力のもと、利用者258名を対象に行った実証実験の結果、次のことがわかったという。

・ カード利用の都度プッシュ通知されることで、93%がカードをより安心して利用できると実感し、70%が同サービスの継続利用を希望。
(プッシュ通知を煩わしいと感じた人は5%と少数。)
・ 安心を実感した人のうち25%が、同サービス付帯カードのメインカード化を希望。
・ カードの不正利用を想定した擬似不正通知に対し、参加者の75%が不正利用を検知。約40%がカード会社へ連絡。

スマホプッシュ通知は認識率・開封率・アプリへの誘導性が比較的高く、カード会社提供アプリの活性化も期待できるという、仮説は検証されたようだ。