臨床ITにて採血業務をより安全に

医療現場において、血液検査などの臨床検査は病気の診断、治療方針の決定、投薬効果の測定などに重要な役割を果たす。

そのため、正確な検査データを迅速に得る必要がある。また、事故を防止するため、医療従事者・患者・モノの三点認証の強化が求められている。

従来の看護業務ソリューションでは、検査項目の確認はできたが、検査に必要な採血の量(本数)を確認することができなかった。ために再度採血を行ったり、不足している採血管を病棟内で探すなどの手間がかかっていたという。富士通株式会社は、臨床検査業務を効率化する「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-LAINS(ホープ ライフマーク ラインズ)」を開発し、きょうから販売を始めた。

看護業務を支援する携帯情報端末(PDA)と連携し、看護師の名札、患者のリストバンド、採血管に貼付した3つのバーコードを読み取ることで、ベッドサイドでの採血漏れや取り違いを防止するとともに、採血した時間や採血管の追跡などの情報を管理する。ほかに、電子カルテシステムとの連携により、診察予約時間や外来患者の対応状況(来院済み、診察中、再診察待ち、診察終了、会計済み)などを確認でき、診察時間に合わせて検査時間(順番)を変更するなど、効率的な臨床検査業務を実現する。

電子カルテシステム「HOPE」シリースと、看護業務を支援する「HOPE LifeMark-HX PRETS」を連携させ、三点認証の強化も支援する。

「HOPE LifeMark-LAINS」は、業界で初めて、臨床検査で分析装置や試薬を変更した際に生じる検査データのずれを、変更前の検査基準値に合わせて自動で調整する機能を搭載している。これにより、従来医師がExcel関数等を用いて判断していた――臨床検査データの早期提供が可能になるとのことだ。