今回の開発・実証事業では、福岡県内の農業試験場で栽培されているイチゴ、トマトハウス内にIoT(Internet of Things)センサデバイスを設置。次世代通信規格のLoRaゲートウェイを通じてクラウドに常にデータを送信し、取得したデータをAI(人工知能)により解析することで好適な栽培管理モデルを構築する。農作物の高品質・高収量生産や省力化を図り、福岡県の農業をさらに発展させることを目的としている。
センシング技術やAI技術の発達により、農業従事者の減少や高齢化、産地間競争といった農業における課題にもIoTシステムの活用が望まれている。スカイディスクによると、今回の実証事業ではIoTやAI技術を活用し、センサによる生産現場の環境把握をさらに進めた栽培支援システムを構築することで県内産地を維持し、福岡県の農業をさらに発展させることが狙いだという。
IoTシステムの構築に当たっては、スカイディスクの「IoT スターターキット(LoRa model)」を活用。LoRa modelでは、10種類から選択できるセンサデバイスからデータを取得、クラウドで集積されたデータを分析し、その情報を可視化するまでパッケージ化している。センサデバイスは、温度や速度、GPSなどの10種類から3種類を選んで装着できる着脱可能なloTセンサデバイス「SkyLogger」を使用。着脱式のため多分野への応用が容易で、10種類のラインナップ内であれば開発費がかからず実証実験を実施できる。
スカイディスクでは、すでに宮古島でIoTを活用したマンゴー栽培の実証実験を実施している。今回の実証事業を通じ、年間を通じた気候変動に耐えられるようなハードウェア開発、生体情報として土壌水分のデータも取得できるようなセンサを開発することで、農業にIoTを導入する際の最適な方法を構築すると説明する。
実証事業は、2017年7月上旬から開発に着手し、試験を開始する予定。福岡県農林業総合試験場と福岡県農林業総合試験場筑後分場で実施する。