事例!保険業界で初のAIセンター構築

昨今、IoT(Internet of Things)によるセンサーデータや音声・動画などビッグデータの蓄積し、ディープラーニング(深層学習)を含む機械学習を核とした人工知能(AI)技術でそれらを解析し、結果を実ビジネスに活用する動きがあらゆる産業・分野に広がっている。

一方、収集データの飛躍的な増加と、データ解析に要するコンピューティング資源の増加に対応するため、ネットワーク負荷や遅延の最小化に最適なシステムやアーキテクチャが求められているという。 SOMPOホールディングス株式会社、SOMPOシステムズ株式会社および東日本電信電話株式会社の3社は、互いに連携し、アマゾンウェブサービス(AWS)にデータを集約し、ネットワーク負荷や遅延を抑えてビッグデータを処理するAI工場「エッジAIセンター」を、保険業界で初めて構築した。

AIセンターは、SOMPOホールディングスグループ各社で収集したデータをリアルタイムに解析し、瞬時に経営に活かす。AIサーバの集積拠点およびAWSとの閉域ネットワークからなる。

グループ各社の事業領域に特化したデータセットを使った学習モデルを構築、蓄積し、グループ全体で活用するための「学習工場」(人工知能学会で東京大学大学院特任准教授の松尾豊氏が提唱)の役割も果たすとのこと。

その第一弾は、独自のディープラーニング技術を実装して今夏より運用開始し、業務の自動化やサービス品質の向上を実現する。システム基盤は、世界の高性能コンピュータ(HPC)およびAI環境で多用されている米NVIDIA社の画像処理半導体(GPU)が搭載され、ディープラーニング向けに最適化されたIBM社製のAI専用サーバで構築する。

基盤と技術活用により、自動車走行や健康関連データ等で新サービス/ビジネスモデルを創出する一方、エッジとクラウドの有機的連携を実現する情報流通基盤の提供もめざしている。