オープンデータに迅雷、鳴り響く

政府は、人口統計や産業構造、地理空間情報など、国や地方公共団体が所有する様々なオープンデータをより活用しやすくし、国民や起業家の課題や問題意識に対し有益な情報を提供することで、産業競争力強化と生活の利便性向上に貢献することを目指している。

「電子行政オープンデータ戦略」や「新たなオープンデータの展開に向けて」等における基本的な考え方等を継承しつつ、課題解決型オープンデータの推進の具体的な「実現」に向けて、従来の取組を更に強化させていく。2020年までを集中取組期間と定め、政策課題を踏まえた強化分野を設定し、オープンデータの更なる深化を図るとして昨年、「オープンデータ 2.0」に官民一体となったデータ流通の促進が謳われた。

そこには異種データベース間でのデータ連携に関する標準化や、誰にでも使いやすいインターフェースを検討し、オープンデータの利活用を促進することが記されているという。富士通株式会社は、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室の「AIを活用したデータベース横断検索および最適解提案の実現(データカタログサイトの利便性向上に係る調査研究)」を受注し、国や地方公共団体が所有するオープンデータの利活用促進に向けた調査を今年末まで実施することを公表した。

人工知能技術「FUJITSU Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」を活用し、政府公開のデータカタログサイト「DATA.GO.JP」、政府統計の総合窓口「e-Stat」、地域経済分析システム「RESAS」の3DBで所要情報を横断検索し最適データを提示する、検証システムを開発。試用を経てその有効性や課題を調査し、システム化に向けた提言を行う。

同社の「Zinrai」により、同じ意味でも異なる用語等を含む文書などを関連づけ、政府所有の様々なオープンデータに対して高度に横断的な検索処理を実施。利用者の自然言語による問合せを理解するとともに、検索結果の閲覧履歴等を活用し、最適解を提示する 。今回受託の検証システムは、パブリッククラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」上から提供するため、コストを抑えながら迅速に調査を行うための基盤構築ができるとのことだ。