AI・IoTで増加するサーバを高密度で収容

近年、データセンター(DC)に置かれるサーバの数が増え続けていて、クラウド経由で人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながるIoTを活用するサービス基盤等の仕組みもDC内に広がりつつある。

それらは今後、さらに増加が予想されるため、限られたスペースと電力の範囲で、サーバ実装密度の向上が求められているという。株式会社富士通研究所は、DCのラックあたりのサーバ実装密度を向上させる仮想サーバ(VM)制御技術を開発した。

現状、各サーバの定格電力をもとにラックへの給電量を超えないようにサーバ台数を決定するが、サーバの負荷は10~50%程度と低いことが多く、負荷に比例する電力使用量/ラックも定格電力に対し低い状態である。一方、給電量超の台数のサーバをラックに搭載し、実稼働状況を監視して、給電量を超えそうな場合に、サーバの動作周波数を抑えて消費電力を抑え込む電力キャッピング技術が開発されているが、この技術はミッションクリティカルな用途など一定の処理性能を要する環境では利用不可能だったという。

富士通研究所は、DC内物理サーバをラックに高密度実装、さらに予備区画を設けて、サーバの電力使用量に応じて各ラックの給電量を超えないように、VMを移動させる制御アルゴリズムを開発。これにより、負荷変動が正規分布で予測可能なクラウドサービス基盤において、たとえばラックの稼働効率50%で10区画を使う運用に対し、5区画で稼働効率90%となるように制御して運用した場合、適用前と比べて40%のスペースの削減が行える。

今回開発の技術は、富士通(株)のインフラ運用管理ソフトウェア「FUJITSU Software ServerView Infrastructure Manager」へ2018年度中に実装する予定とのことだ。