声から心の健康状態の変化を分析するクラウドサービスを提供開始

株式会社日立システムズ(以下、日立システムズ)は、声から心の健康状態の変化を捉え、うつ病をはじめとするメンタル疾患の予防や未病の早期発見に寄与するクラウドサービス「音声こころ分析サービス」を販売開始した。神奈川県での試行導入、民間企業での実証実験を実施してきており、挙がってきた要望を踏まえた機能強化を進めている。

音声こころ分析サービスは、スマートフォンや固定電話、携帯電話などから録音した音声データの声帯の変化(不随意反応)を分析して心の健康状態を数値化。約15秒で分析結果をPCやスマートフォンに表示する。

心の健康状態を可視化することで、利用者に心の不調の自覚と早期対策を促す。また、分析結果は利用者本人だけでなく、管理者も参照可能。日立システムズは、メンタル疾患者およびその予兆が見られる利用者の早期発見を支援し、社会課題となっているメンタルヘルス対策に寄与すると説明する。スマートフォンで利用する場合は、サービス契約後にアプリケーションをダウンロードし、付与されたユーザーIDとパスワードを入力すれば、すぐに利用可能。

医療機関が音声こころ分析サービスを活用する場合、医師は診察や問診で得た情報以外に、患者の心の健康状態を数値化された情報として得られる。また、前回の診察からの傾向を把握する補助的な支援ツールとしても活用できる。同社によると、医療資源を効果的・効率的に活用し、受診者の負荷軽減につなげるために拡大が見込まれる遠隔医療の分野での活用も期待できるという。

音声こころ分析サービスの分析には、PST株式会社が開発した、声帯の変化を解析して心の健康状態を「見える化」する未病音声分析技術「MIMOSYS(ミモシス:Mind Monitoring System)」を利用。MIMOSYSは、東京大学大学院医学系研究科 音声病態分析学 特任准教授の徳野氏によって医学的に検証されている。日常発する声から客観的かつ手軽に心の健康状態をチェックすることができ、言葉の違いに依存しないことが多くの言語で確認されている。また、神奈川県が未病産業関連の優れた商品・サービスを認定する制度「ME-BYO BRAND」に認定されている技術でもある。