MIX観察で半導体ウエハ等検査

およそ誰もが見たり、お世話になっている半導体製品やパネル型のディスプレイ。

それらの開発・製造現場では、生産効率の向上や需要拡大などによって、半導体ウエハ(円盤状の素子材料)とか、フラットパネルディスプレイ(FPD)ガラス基板の大型化が進んでいる。そして日々、造られた製品や部品の検査が行われている。

検査に用いられる工業用顕微鏡において、顧客の多様なニーズに最適なソリューションを提供すべく、優れた光学性能を持つ多彩なユニットや、画像解析ソフトウェアと組み合わせた、さまざまな工業用顕微鏡システムを販売している。オリンパス株式会社は、半導体やFPD検査用の工業顕微鏡「MX63/MX63L」を、きょうから世界で発売する。

「MX63/MX63L」は、主に半導体・FPDなど、サイズが大きいサンプルの検査に特化した工業用顕微鏡で、MX63は200mm、MX63Lは300mmまでの大きさのウエハーに対応している。MXシリーズとして初めて「MIX観察」――色情報を含めた概観の観察に適した「明視野観察」や蛍光物質の検出に有効な「蛍光観察」と、細かい構造や傷の検出に優れた「暗視野観察」の方法を組み合わせ、それぞれの観察法のメリットを活かした新しい観察法――対応ユニットを搭載したことで、従来見つけにくかった欠陥などを、検出することが可能になったという。

ほかに、高輝度タイプの白色LED光源の採用により、省電力・長寿命であるだけでなく、観察時の光源の明るさを変えても、画像の色合いは変わることなく、常に安定した画像を得ることができる。新搭載の「フォーカスエイド」機能を使えば、ピント合わせでのサンプル衝突が無く、迷わずにピント合わせが可能といった特長を備えている。

同社科学事業の新製品は、専門トレーニングが不要かつ自由にカスタマイズ可能で、全世界の研究開発および生産現場をターゲットにしている。