日通、国際航空温度管理輸送サービスの温度帯を拡充

日本通運株式会社(以下、日通)は、国際航空貨物輸送サービス「NEX-SOLUTION TempSure Thermo ULD(ネックス―ソリューション テンプシュア サーモ ユーエルディー)」(以下、TempSure Thermo ULD)に、2度~8度サービスを新設して販売を開始した。

TempSure Thermo ULDは、特殊な断熱材と潜熱蓄熱材(物質が相変化する際の潜熱を用い、指定する温度域を維持する機能を持つ素材)で航空機搭載パレット(ULD)を包み込むことで、外気温の影響を受ける発着地の航空機の機側(ランプサイド)でも内部を設定温度範囲内に維持できる。2016年7月から15度~25度帯サービスを提供してきた。

同社によると、ULD単位の定温輸送では電源式温度管理コンテナを複数台使用する必要があったが、TempSure Thermo ULDを利用することで従来と比較して約20~50%のコストでサービス提供が可能だという(同社想定条件での比較)。

今回の新サービスの開発背景として、「医療・医薬品においては2度~8度帯と15度~25度帯が需要の高い温度帯であること」「一般的に大量・大型貨物の定温輸送には電源式温度管理コンテナを利用するが、そのリース費用や航空運賃の負担が大きかったこと」などを挙げている。また、医薬業界の顧客を中心に、2度~8度帯でのサービス提供に対する要望があったという。

利用方法としては、日通の施設で預かった荷物を積み付けしてTempSure Thermo ULDで覆う。貨物が屋外環境にさらされる航空機への搭載直前と取り降し直後にTempSure Thermo ULDで温度を調整・維持する。同様に、航空機内でも温度を維持する。

日通によると、成田空港発貨物から開始して利用ニーズに合わせ、他空港への展開を図る予定。今後も温度管理をはじめとする高度化・多様化するニーズに応える物流サービスを開発・拡充し、企業理念に掲げる「物流から新たな価値を創る」ことを目指すという。