ドコモ、AI技術を活用する新APIをオープン化

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、同社のAI(人工知能)基盤の中核となる「AIエージェントAPI」を開発。同社が培ってきたサービスやデバイスプロバイダー向けのAPIをオープン化することで、音声インターフェースをベースとした新たなサービス提供スタイルの提案を目指す。

AIエージェントAPIは、ドコモが中期戦略2020「beyond宣言」として掲げる新AIエージェントを構築するための基本システム。同社は、AIエージェントを「利用者の対話を通じて、一人ひとりの要望に的確に応え、サービスを提供したり、様々なIoT機器を操作することを可能にする人工知能」と定義する。利用者は自分の生活シーンに最適なデバイスを通じて、自分の行動や状況に合わせたサービスを利用できるという。

AIエージェントAPIは、NTTグループのAI技術「corevo」の1つである先読みエンジンと多目的対話エンジン、IoTアクセス制御エンジンの3つのエンジンで構成される。

先読みエンジンは、ドコモのAI技術を活用した自動車向けの音声エージェントサービスである「AIインフォテイメントサービス」などで培った行動分析技術により、一人ひとりに合わせた情報を適切なタイミングで提供することを可能にする。多目的対話エンジンは、18億回以上の利用実績を持つ「しゃべってコンシェル」で培った自然言語処理技術により、自然な対話を通したサービスを提供する技術。IoTアクセス制御エンジンは、デバイスWeb APIの技術により、異なる通信規格のIoT機器を1つのアプリケーションで制御する。

ドコモはAIエージェントAPIをオープン化し、音声インターフェースをベースとした新たなサービス提供スタイルの共同開発を行う「ドコモAIエージェント・オープンパートナーイニシアティブ」を推進している。ドコモAIエージェント・オープンパートナーイニシアティブでは、ドコモのケータイ払い、iDなどのモバイル支払い機能やdポイントの活用、AI技術を活用した精度の高いマーケティング環境の構築などを目指している。

ドコモは今後、同社が培ってきたサービスやデバイスプロバイダー向けのAPIをオープン化することで、エンドユーザーに音声やテキストを介した新しいサービス利用体験の創造、AIエージェントサービスの開発期間の最短化を目指す。AIエージェントAPIを利用した新AIエージェントサービスを2018年度早々に提供開始する予定。