クルマ de ATM

現金自動預払機(ATM)は言わずもがな、大変便利である。

入出金、振込み、通帳記入、残高照会など、利用者がひとりでできる。だが、コンビニやスーパーマーケット、金融機関も歩いて行ける距離にない地域がある。大規模停電などで近くのATMが使えないことだってある。

災害時には大型トラックを使った金融機関の移動店舗が役に立つ。けれどもそれは、車両改造の費用がかさむし、走らせるためには大型車両の運転免許を持った人が要る。走る道と駐める場所を選ぶ。

きょう、次世代社会インフラなどの新規成長事業を創出し、育成することを目指していて、長年にわたり紙幣還流型ATMのリーディングカンパニーであるOKIは、一般車両に搭載し維持コストを抑制可能な新商品、「モジュール型ATM」の販売を始め、10月より出荷を開始することを発表した。

従来のATMを3つのモジュール(基本部、通帳部、紙幣部)に分割し、無線対応を可能にしたことにより、市販の商用バン等一般車両に搭載できる。「モジュール型ATM」は、これまで設置が困難だった場所などでもATM取引を実現。

災害時のBCP(事業継続計画)対策のほかに、店舗・ATM空白地帯の巡回、サービス高齢者向け住宅での定期的な年金引出や記録、イベント会場での臨時ATMかつ広告塔といった活用ができ、その機動力で、安心安全のために個人宅を巡回する出張ATMサービスも展開可能だ。

金融機関にとっては、顧客利便性の向上と顧客接点の強化を図れる。一方、利用者は、コンビニATMでできない通帳の記帳や繰越しなどのために金融機関の店舗へ行かなくても良くなるという。

この新商品、OKIは金融機関向けに3年間で1,000台の販売を見込んでいて、受注第1号機は、しまね信用金庫にて11月頃より運用が始まるとのことだ。