ICT活用、船舶維新への一歩

大海原を行く。 船舶の海難事故防止、機器故障予防、最適運航支援などの実現をめざしている。

株式会社商船三井と三井造船株式会社は、次世代型船舶管理支援システムの実用化および商品化に向けた共同開発を進めることで合意した。

データ収集装置を通じ、運航船から収集した実海域でのリアルタイムな運航状況や機器の運転状態等のデータを用いて、商船三井の船舶の運航と管理に関する経験と技術、三井造船の多彩な最新鋭船舶の建造と情報・通信、システムインテグレーションに関する知見を集結して、開発を進めるという。

次世代型船舶管理支援システムでは、実船より収集した短周期・多数のデータについて様々な角度からの分析を行う。人工知能(AI)など、情報通信技術(ICT)の要素を取り入れる。
両社は国土交通省の平成29年度「交通運輸技術開発推進制度」の研究課題に採択された「自律型海上輸送システムの技術コンセプトの開発」の共同研究にも参画していて、船舶の自動・自律運航技術導入のロードマップ作成を目的としたこの研究により、安心・安全で効率的な海上輸送システムの実現を早めることが期待されている。

そして今回の共同開発は、オープンイノベーションの取り組みとし、上述の趣旨に賛同してもらえるエンジン・発電機製造メーカをはじめとする海事クラスター各社の革新的な要素技術(シーズ)を取り込みながら、次世代型船舶管理支援システムの実用化、商用化につなげていくとのこと。

商船三井はこれを昨年11月に発表した「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」の一環と位置付けていて、高度安全運航支援・環境負荷低減を推進するとともに、ICT技術を利活用したサービス向上を通じ、物流のビジネスパートナーとしてお客に選ばれる企業グループを目指すとしている。