IoT活用による賃貸住宅の快適な住環境の実現に向けた実証実験を開始

大和ハウスグループの大和リビングマネジメント株式会社(以下、大和リビングマネジメント)と東京電力パワーグリッド株式会社(以下、東電 PG)は、大IoT(モノのインターネット)を用いた「エネルギーマネジメントシステム」構築に関する共同実証試験を開始する。和リビングマネジメントがサブリース事業を展開する賃貸住宅内で、2017年8月1日~10月31日までの3カ月間実施する。両社は同システムの構築により、賃貸住宅における生活快適性の向上とエネルギーの最適利用を目指す。

IoTとは、「Internet of Things」の略。従来ネット接続されなかった機器やセンサーをつなぎ、新しい付加価値サービスを提供するものを指す。

今回の共同実証試験では、賃貸住宅入居者50世帯の協力を得て、住戸ごとに電気の使用状況や家電製品別の利用情報を抽出できる専用の電力センサーと、住戸内の温度や湿度などを測定する 環境センサー付マルチリモコンを設置する。東電PGは、専用の電力センサーから得られる電気の使用状況から電気の使用量を予測する「分析アルゴリズム」を有するIoTプラットフォームを開発する。

また、大和リビングマネジメントは、東電PGが提供する電気の使用状況、分析アルゴリ ズムの結果や、環境センサー付マルチリモコンから得られる温度や湿度などの情報を、同社が提携しているIoT プラットフォーム「plusbenlly(プラスベンリー)」に取り込み、エアコンなどの家電製品を自動で運用・制御する機能を開発する。両社はこれら2つのプラットフォームを連携させ、家電製品を自動で運用・制御するノウハウに加えて各プラットフォームの有効性を検証。本システムの賃貸住宅への本格導入を検討する方針だ。

また、将来的には、今回開発しているシステムと音声認識端末を連携させ、音声による家電製品のコントロールや快適な睡眠環境の実現目指す。電気の使用状況などから得られた情報に基づき、生活リズムを生か した家電製品の自動運用・制御に関する実験や検討などを行う予定。