製鉄所を横断した全社現品データベースを運用――JFEスチール

JFEスチール株式会社(以下、JFEスチール)は、次世代のサプライ・チェーン・マネジメント(以下、SCM)の基盤となるデータベース「JFE統合現品DB」の本格運用を開始した。同社によると、製鉄所を横断した全社での現品データベースの運用は、国内業界初となるという。

JFE統合現品DBは、全ての現品の現在や過去、未来の情報を保有する。現在のステイタスはもちろん、どの工程をいつ通過したなどの履歴情報、最新の次工程以降の通過予定と製品完成予定を、現品に紐付けて保有。全ての現品に対し、それぞれ現在や過去、未来の情報を保有することで、データベースの処理量は一日数百万件以上にもなる。

JFE統合現品DBは、各データの提供元である製鉄所とリアルタイムで情報連携し、24時間365日稼動する。従来と比較すると高い精度で現品の情報を取得でき、より効率的な業務が可能になる。また、全社進捗照会システムと連携することで、現品情報のトレーサビリティ強化を図る。工場の生産スケジュールをリアルタイムで反映した最新の製品完成予定情報を全社、顧客企業とで共有。スピーディーなデリバリー、納入業務を実施することが可能だ。

加えて、製鉄所のみが把握していた予備材料などの情報も、本社含めた全社で一元的に管理できる。一日に数百万件以上の情報を処理するビッグデータ基盤としても活用できる。また、同社独自の出荷・納入システム「One JFE」とも連携し、リアルタイムで正確な現品情報に基づき、各製鉄所の生産管理や物流部門、顧客企業とも現品の出荷や納入の予定を共有できる。現在、薄板と厚板で稼働。同社は今後、適用品種の拡大、JFE統合現品DBを活用した既存システムのレベルアップを目指すという。