スギ・ヒノキ花粉の飛散量は2016年の3.1倍、九州や近畿は4~10倍も

株式会社ウェザーニュース(以下、ウェザーニュース)は、2017年のスギ・ヒノキ花粉シーズンの終了を迎えたことを受け、全国のユーザーと実施した「花粉プロジェクト 2017」における花粉症の症状、花粉飛散傾向のまとめを発表した。

ウェザーニュースは、花粉症に悩む一般の方や企業、病院などの協力の元、全国約1,000カ所に設置した花粉観測機「ポールンロボ」で計測した花粉飛散量と、その周辺に住む花粉症の対象者である7,093人から寄せられた8万3,571通の症状報告をまとめた。

それによると、飛散量の全国平均は平年並(0.9倍)で、2016年と比べて 3.1倍だった。特に、2016年夏に晴れて猛暑だった西日本を中心に多くの花粉が観測されたという。また、九州地方や近畿地方では2016年の4~10 倍の飛散量となった所もあり、九州地方から東海地方では3年ぶりのつらいシーズンとなったと説明する。

ウェザーニュースによると、2017年は1月終わりに一時的に春本番を思わせる暖かさとなった。その影響で、九州地方や関東地方の一部などでは、早い時期に4スギ花粉の飛散が開始。その後すぐに寒気の影響を受けたため、花粉飛散開始エリアはすぐには拡大せず、西・東日本の各地でスギ花粉飛散シーズン、本格花粉シーズンに入ったのは、寒さが緩んだ2月中旬からだという。

3月は西・東日本では晴れた日が多かったものの、度々寒気の影響を受けたために平年や2016年より気温が低くなった。そのため、4月上旬にかけてダラダラとしたスギ花粉飛散シーズンとなった。3月終わり頃になると、九州地方からヒノキ花粉が飛び始め、また4月上~中旬は西・東日本では雨の降る日が多かったため、ヒノキ花粉のピークはやや遅れた。しかし、天気が回復した日には花粉の飛散量が一気に増えた結果、九州地方から東海地方のヒノキ花粉シーズンはスギ花粉に比べて、短期集中型の飛散となった。

また、九州地方から東海地方でヒノキ花粉が2014年以来、それを上回る大量飛散になったという。ウェザーニュースは2018年も引き続き、花粉プロジェクトへの参加を広く呼びかけ、より多くの花粉症の対象者が春の花粉シーズンを少しでも快適に過ごせるよう努める方針だ。