世界のCEO約65%が世界経済の見通しに自信、日本のCEOは21%にとどまる

世界経済の不透明感が高まる中、企業をけん引するCEO(最高経営責任者)はどう感じているのか。KPMGインターナショナルは、世界のCEO約1,300人を対象にした調査を実施。世界のCEOが考える今後3年間における企業の成長、直面する課題や成功戦略などの洞察をまとめた。

KPMGインターナショナルは、世界のCEO(最高経営責任者)約1,300人とのインタビューに基づき、「グローバルCEO調査2017」の結果を発表した。この調査では主要10ヵ国、11業界におけるCEO1,261人が回答。2017年2月から4月にかけて実施した。

今回の調査では、今後3年間における企業の成長、直面する課題や組織を成功へと導く戦略について世界のCEOの洞察をまとめた。

調査結果によると、CEOは世界経済の見通しについておおむね自信を持っているが(65%)、楽観的な考えは昨年よりも控えめであることが分かった。日本のCEOはわずか21%が自信を持っているにとどまった(昨年は93%)。

また、65%のCEOが破壊的技術を脅威ではなくビジネス機会と捉えていたが、日本のCEOは53%にとどまっていた。日本のCEOの約9割(87%)が今後3年間で技術革新により自社の業界に大きな破壊が起きると予想していることが明らかになった。

この調査では、多くのCEOが地政学的リスクに着目していることが判明した。グローバル化と保護貿易主義の動向の変化により、CEO全体の43%が海外展開を見直している。一方、日本のCEOの回答ではこの割合が28%にとどまっている。約半数(52%)のCEOは、不安定な政治情勢が彼らの組織に対して大きなインパクトを与えていると考え、31%のCEOは、今後3年間に自国の保護主義政策が拡大すると予測している。

KPMGインターナショナルは、最も着目すべき変化の1つとして「リスク情勢の進化」を挙げた。特に、レピュテーションとブランドのリスクを懸念事項として挙げるCEOが増加しているという。また、機械学習や音声認識などに代表される「コグニティブ・テクノロジー(認識技術)」が経営機能の人員数に与える影響については、一般的な見方とは対照的に58%のCEOは人員が増えると予想。さらにCEOの74%が長期的な将来性を維持するために、信頼や価値観、文化を重視すると回答した。