警備と設備点検、完全自動化へ

小型無人機ドローンの活用が、自治体やさまざまな産業分野で広がっている。

空撮、配送、農薬散布、里山巡回、防犯・セキュリティ、工事現場での測量や、造船所で資材確認に用いる例もある。

文化遺産の天守閣、橋梁とか高架鉄道・道路、高層ビルディングとか鉄塔といった構造物の保守点検など、危険を伴う作業を人に代わって安全に、かつ多頻度に行うことでもドローンは期待されている。
けれど現時点では、ドローンの操縦や撮影された映像の確認作業は人力で行われていて、業務効率化の実現という点で課題があるという。株式会社ブイキューブロボティクス・ジャパンとデータセクション株式会社は業務提携し、ブイキューブロボティクスのドローンソリューションと、データセクションの人工知能(AI)画像解析技術とを組み合わせ、警備・設備点検業務の完全自動化に向けたサービスの開発を発表した。

ドローンで収集した映像をAIで解析し、設備や施設の異常箇所を自動検出。異常が検出された位置情報と問題の種類をレポーティングするサービス――その第1弾として、大規模太陽光発電施設の点検業務で実証実験を開始し、年内の商用化を目指している。現在、定期的にドローンを航行させて映像を収集・解析することにより、パネル識別と異常個所の検出を実現していて、更なる精度向上を図っているという。ソーラーパネルの故障を無人かつ早期に検出する、点検業務の効率化を目標に、開発が進められているとのことだ。

そして今後は対象分野を拡大し、大規模な工場や社会インフラを保有する自治体・事業者向けにサービスを提供する。
コンクリート構造物や鉄橋・鉄塔、道路等の点検や警備業務へと、順次、対象を広げていく予定であり、さらに、ブイキューブロボティクスが国内独占販売権を持つ全自動運用ドローンシステム「DRONEBOX」と組み合わせることで、警備・設備点検業務の完全自動化を目指すとしている。