スマート農業、病害予測で収穫量アップ!

あらゆるモノがネットにつながるIoT、これに人工知能(AI)を組み合わせたスマートな仕組みの活用が、さまざまな分野で広がりをみせている。 世界で第4次産業革命/Industry4.0とか、日本では超スマート社会/Society5.0(内閣府資料)といって、その研究開発と適用範囲の拡大が進められている。

農業もその分野のひとつだ。農家の収入および農産品の供給を安定させるために、イノベーションが期待されている。
収入は収穫量に直結――。収穫量に影響を及ぼす主な要因としては、自然災害などの外部環境にともなう要因の他に、病害の発生が挙げられる。病害を予防するためには、感染の前後で予防薬を散布することが最も効果的だと考えられているが、病害が実際に発生するまで目に見えないため、散布の最適なタイミングを把握することが困難であったという。
グローバルのさまざまな産業分野でイノベーションを提供するリーディングカンパニーBosch、その日本法人であるボッシュ株式会社はきょう、IoTへの投資による事業拡大の好例として、病害予測にAIを利用した革新的なハウス栽培トマト向け病害予測システム「Plantect ™ (プランテクト)」を、年内に販売開始すると発表した。

農薬の散布量とタイミングを適切に管理するためにも、病害発生の兆候を把握することが重要だとする同社はこういう。ハウス栽培では、温度湿度等の基本的なパラメータのほか、日射量や葉濡れ、栽培環境や外気象が病害発生に影響を及ぼすため、これら作物の育成に影響する要因をAIにより解析することで病害予測を実現したのがPlantect ™――。AIを使ったクラウドベースのデータ解析により、過去データの検証では92%の予測精度を記録したとのことだ。そのほかにも、ワイヤレス対応による、大規模な投資、施工を必要としない優れたユーザーエクスペリエンスで、小・中規模農家も導入しやすいサービスといった特長を備えている。

Plantect ™の適用は現在ハウス栽培のトマトに限られているが、今後イチゴ、きゅうりまたは花卉など他の農作物への展開、日本以外のハウス栽培市場で高い可能性を持つ国での販売を計画しているとのことだ。