つながるUR賃貸

あらゆるモノがネットにつながるIoT時代、車や携帯電話だけでなく、家もスマートになる。リビングやキッチンでつながった先には人工知能(AI)があって、さまざまな情報や助言をくれるスマートスピーカーが今年、各社から出そろう――。今あえて言おう、すべて電気のおかげだと。スマートやコネクティッドの骨髄には電気が流れている。

2017年6月7日

と、家の中を見回せば、電化製品だらけだ。オール電化の家でなくてもテレビ、掃除機、炊飯器、電気ポット、照明器具、アイロン、洗濯機――地球環境と省エネを意識しているのに、10年以上、年中稼働し続けている冷蔵庫もあって、買い換えようかと思ったりする。家電は近ごろ、格段に省エネ性能が高くなっている、が待てよ......電気をもっとも食うのはエアコンじゃないかと調べてみたら正解だった。大量の湿気と、熱帯夜が訪れるこれから、それはふたたび働き者になるだろう。

そこで、エアコンを賢く制御する共同研究に取り組むことで合意したのは、独立行政法人都市再生機構(UR)、株式会社環境エネルギー総合研究所(EER)、一般財団法人 日本気象協会(JWA)、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)および中部電力株式会社だ。
家の中のものや暮らしぶりをデータ化してネットワークにつなげ、AI技術を用いて分析し、低炭素社会における暮らしの利便性を高め、生活を豊かにする。生活イノベーションなどを支援することを目的に、コネクテッド・ホームℯナビ研究コンソーシアムを構成する4社は今回、気象データと、エアコンに設置したIoTタップから収集した消費電力量や室内環境等のデータをもとに、既存の「エアコン適正稼働モデル」を用い、エアコンの効率運転について検証する。

実証実験の対象は首都圏および中部圏のUR賃貸住宅およそ100戸。モニタリングは今年10月から概ね1年間を予定しているという。
4社はこのほかに、最先端の技術を活用してより安全・安心・健康的に暮らせる要素を取り入れたスマートウェルネス住宅や、ゼロエネ住宅の推進にも貢献していくとのことだ。