さまざまな業種でネットからリアル店舗へ送客

実店舗とオンラインストア等を融合させて売上増をめざす、オムニチャネル販売は数年前から話題だ。 小売業界を一変させるとして、大手チェーンストアなどがそれに力を注いでいる。しかしあらゆる業種・業態の店がその効果を実感しているわけではないだろう。イノベーションであるオムニチャネルを活かすには、新たな購買動向に最適化したマーケティングが必要である。

バナー広告を打ったり、クーポンを発行するなどして、オンラインのサイバー空間からオフラインの実店舗へと客を誘い購入を促すO2Oマーケティングは、オムニチャネルに欠かせない。PCやスマートフォンのユーザーならその名称は知らなくても、一度は体験したことがあるだろう。アンケートに答えて映画館や水族館の割引券を手に入れたり、「これ、使えますか」とクーポンを店員にみせたりした人も、きっといるはずだ。

そんなO2Oマーケティングだが、効果測定が難しい。費用対効果を明らかにする仕組みでなければ利用価値はない。
実店舗への来店成果の計測や、計測するための高いシステム投資などが課題に挙げられているという。従来のマーケティングを革新するO2Oマーケティングへの取り組みを、ソネット・メディア・ネットワークス株式会社(SMN)が発表。ソニーグループで培った技術力をベースに人工知能「VALIS-Engine」を独自開発し、マーケティングテクノロジー事業を展開している同社は、株式会社マッシュルーム(東京都品川区)と、次世代IoTデバイス「VIA」を活用したO2Oマーケティングソリューション「Marketing Touch(仮称)」を共同開発――。新たなデジタルマーケティング事業を展開する。

広告配信効果を最適化するためのプラットフォーム「Logicad」(ロジカド)をはじめとした、様々なWEBプロモーションとの連携により実店舗に来店した成果確定まで、正確に計測することを可能にするという。「Marketing Touch」では、低コストでの革新的なO2Oマーケティング導入を実現する。
あらゆるスマートフォンで利用可能かつ1秒以内でのセキュアな通信認証処理を実現するマッシュルーム社の「VIA」の計測技術と、SMN社の人工知能「VALIS--Engine」とによる分析および施策の最適化を行い、デジタルユーザーを実店舗へ送客できるようになる。

O2Oマーケティングソリューションの店舗導入は、年内実施を目指しているとのことだ。