事例! 消費者の購買動向をタイムリーに把握

気温摂氏22度になるとビールが売れる。アイスクリームは27度で、しかし30度を超えると売れなくなり、代わってかき氷が売れるようになる――とよく言われているが、消費者の気持ちはその場の雰囲気にも左右される。北海道の人は冬、暖房を効かせた部屋でアイスクリームを頬張るのが至福らしい。同席すればまねをするだろう、関西人は梅雨の頃から「レイコ」といって、キンキンに冷えたアイスコーヒーを注文するのがおしゃれだと思っている。

地域、気候、気温、イベントなど様々な要因により売上げが変動する。また、近ごろは消費者ニーズが細分化されていて、これまでよりもさらに多種類のデータを収集していち早く分析し、販売活動に反映する必要がある。酒類と飲料市場において、アサヒグループホールディングスは、市場環境の変化に即応するため、営業部門の現場担当者自身が知りたい情報をより早く、より高度に分析できる環境の構築を検討してきたという。
そして、富士通がそれを実現した。

一般的に専門知識や技術を有する人や部門が行うビッグデータアナリティクスにおいて、各事業会社の営業担当者でも容易に高度な分析がクラウド上で可能な「FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics for 食品」(ODMA for 食品)を、全グループ共通のデジタルビジネス向けプラットフォームとして提供し、アサヒビール株式会社およびアサヒ飲料株式会社での本格運用が始まった。
1.営業部門でも自在に使いこなせること、2.メンテナンス不要で進化し続けるクラウドサービス、3.中長期的に蓄積される大量データの分析に耐えられる基盤、4.大量データ分析を可能にする処理性能が評価され、導入の決め手になったという。

「ODMA for 食品」は、簡単な操作でタイムリーなビッグデータ分析を実現し、多様で変化するビッグデータの収集・蓄積に関する運用負荷を軽減し、鮮度の高いデータ分析を実現することによって、昨年11月に先行運用を始めたアサヒビールの販売現場を変えている。
営業内勤および営業担当が日々活用し、市場ニーズに対応した販売活動を行うなど、業務効率が向上しているという。富士通は今後、ここに気象情報やイベント情報などの外部データを加え、アサヒグループのさらなる拡販活動業務高度化に向け取り組んでいくとのことだ。