オクターブ上の診断・治療に最適な線量と画質バランス

右を向いて。はい、今度は左、もう少し左――。 40歳を過ぎた人が毎年、前夜から絶食し、薄い衣服をまとい、冷ややかな台の上でスピーカーから流れてくる指示に従って、バリウムをさらに飲んでまたもや右左......する苦行を透視検査と言うらしい。食道や十二指腸、大腸も、一般のレントゲンに写らない部分を造影剤で明らかにするそうだ。

それを写す側からすれば、胃透視などの消化管検査のほか、ERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)やミエログラフィ(脊髄造影)など、1台で各診療科の多彩な検査に柔軟に対応できるシステムはきっと便利だろう。

多方向からの観察を可能とするCアームと17インチ広視野FPDを搭載したX線TVシステム「Ultimax™-i(アルティマックス アイ)」は、多目的な検査対応に加えて、オリジナルのコンパクト設計により、Cアームシステムでありながらも検査室に広い作業スペースを確保できるため、様々な手技における患者へのアプローチを容易にすることもあり、2009年に発売開始以来、とても好評だという。東芝メディカルシステムズ株式会社はきょう、そのUltimax-iに新しい高画質・低線量検査コンセプト「Octave」を搭載したことを発表した。

従来より最大65% の被ばく低減(自社比)を可能とする。Octaveは、今までの画像フィルタ処理(Super Noise Reduction Filter:SNRF)やデジタル補償フィルタ(Digital Compensation Filter:DCF)を高いレベルで進化させながら、新たな8つの最新技術から構成される高画質、低線量検査のための同社独自のコンセプトだという。

広い帯域のノイズ除去を可能にした多重解像度SNRFが高画質を実現し、高輝度部と低輝度部の明るさを自動補正するDCFが黒つぶれ白とびを補正して、最も観察しやすい画像に調整し、逐次近似法(Iterative Reconstruction:IR)を利用した解像度補正により、理想のMTF(Modulation Transfer Function)を実現するといった特長を備えた「Octave」は、これらリアルタイムの画像処理技術と、低線量検査のためのアイテムにより、高画質と低線量の両立を高い次元で実現。

様々な検査に適した1オクターブ上の画質と線量により、安全で、効率の良い医療を提供するとのことだ。