(BP-Affairs編集部)
国立大学法人東北大学 東北メディカル・メガバンク機構とオムロン ヘルスケア株式会社は、日常生活のモニタリングで得られた検査値と高血圧などの疾病の関連を明らかにするための、共同研究を実施する契約を今月15日に締結し、共同研究を開始した。
同研究では、東北メディカル・メガバンク機構が実施する東北メディカル・メガバンク計画の一環としてコホート調査の参加者5,000人に尿中のナトリウムとカリウムのバランス(塩分と野菜や果物の摂取バランス)・身体活動量・睡眠状態を10日間にわたって自ら測定してもらう。そのデータと家庭血圧等ほかの測定値との関連を検討し、更に遺伝情報や生活習慣情報など種々の要因を考慮に入れた総合的な解析を行う。
平成29年度から行われる東北大学の詳細二次調査に合せて、これに参加する5,000人から新たに同意を得て、協力を求める予定だという。
協力同意者には、一般住民を対象としたフィージビリティ研究でその有用性等が示されたオムロン ヘルスケア社の尿ナトカリ計、活動量計、睡眠計を配布し、生活習慣情報を測定してもらう。この共同研究を通じて、より精度の高い生活習慣情報を得ることで、個人の体質に合わせた適切な予防法・治療法の開発に貢献できると考えているとのこと。
またこれらのデータは、東北メディカル・メガバンク機構のバイオバンクに格納され、データの整理が完了すれば全国の研究者に分譲され、個別化予防・治療の研究に活用される予定だという。
東北メディカル・メガバンク機構とオムロン ヘルスケア社は、「被災地の住民の方々のご協力と、それをもとに東北大学が解析して得てきたゲノム解析情報等およびそれを可能にした技術力、そしてオムロン ヘルスケア社が保有する精密なライフスタイル評価を融合することで、世界に先駆けて『自分で測り自分で創る健康社会』を目指します」と、発表を締め括った。