5G、建設機械を制御

スマートフォン等のアンテナ表示にみられるLTEは現在世界的に普及が進み、次のLTE-Advancedも一部地域で導入が始まっている。そしてその次の第5世代移動通信システム(5G)は、2020年以降さまざまな分野での利用が想定されていて、各国にていま検討および技術開発の真っ最中だ。

ウェアラブルデバイスの本格的な普及や4K/8K動画コンテンツ、セキュリティ・医療・教育も含め高精細静止画および動画コンテンツのニーズはより一層高まると予想される。2020年代のトラフィック量は\'10年比で1000倍。5Gシステムはこのサポートが要求条件となっていて、これら大容量コンテンツをユーザーが快適に利用できる10Gbps以上の達成も要求条件だと、「第5世代モバイル推進フォーラム(5GMF)」の解説にある。

高速大容量化に加えて、5Gシステムは、各産業と社会・生活基盤におけるIoT(Internet of Things)やM2M(machine to Machine)でもその接続性に期待が寄せられていて、現状の100倍以上の端末接続サポートが要求されている。
2020年のサービス提供開始に向けて、「5Gトライアルサイト」を今月開設したNTTドコモは、「IoT/IoEの普及等に伴う多数の端末との接続への対応といった幅広い性能を考慮した研究開発を進めている」という。

IoTは、建設・鉱山機械メーカーのコマツが実用化の先鞭を付けたことで有名だ。同社はICT(情報通信技術)建機のダントツ商品、ICT車両管理の「KOMTRAX」、「無人ダンプトラック運行システム(AHS)」、「スマートコンストラクション」など、かねて(IoTという言葉がはやる前)からその仕組みの活用に積極的であった。

そして、コマツとNTTドコモは協力して、建設・鉱山現場におけるIoTの可能性をさらに広げる。5Gモバイルネットワークを利用した建設機械の遠隔制御システムの開発をめざす、実証実験の基本契約を締結し、きょうその実験を開始した。
この協同実験では、5Gの特長である高速・大容量・低遅延の機能を活かした遠隔制御の検証を行うという。

コマツが従来IoT化していたヒト、モノなど、施工管理サービスに係る電子データを、ドコモの5Gに繋げることにより、遠く離れたオフィスからでも、現場の状況をリアルタイムに把握しながら正確で効率的な現場施工と施工管理が可能になるという。安全で生産性の高い未来の現場を実現する、取り組みの概要は、「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017」(東京ビッグサイトにて開催)のコマツ、NTTドコモブースで確認できる。