世界に先駆けて日本国内で開発された高分子化合物。それは世界五大陸でも利用されている。
ポリアミドやEVOH等のガスバリアー性樹脂や、金属、ガラス、セラミックスなどの基材に強力に接着する特長を持っていて、共押出成形によるシート、フィルム、チューブ、ボトルなどの多層成形体を作ることができるという。
(BP-Affairs編集部)
優れた耐久接着性と食品衛生性を備えることから、食品包装材分野において多大の信頼性を得ている。
導入した官能基の働きにより、ポリオレフィンへのフィラー、顔料、木紛、他材料の分散剤、相容化剤としての効果が期待できるという。接着性ポリオレフィン「アドマー®」を開発し、事業展開しているのは、三井化学株式会社だ。
そして同社はきょう、そのアドマー™の新シリーズとして、「アドマー™ IP」を開発したことを発表した。
イミン変性ポリオレフィンであるアドマー™ IPは、新たに塩基性官能基を導入することにより、従来接着が難しかった変性フッ素樹脂や、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリケトン(POK)、ポリカーボネート(PC)等と強力に接着し、シートやチューブ等の多層成形体を作ることができる。また、繊維強化ポリオレフィンコンパウンド等の耐久性を向上させる高性能な相容化材としての機能も期待でき、更なる用途展開が可能になるとのことだ。
燃料タンク、食品ボトル、化粧品ボトル、食品チューブ、化粧品チューブ、食品シート、食品フィルムといった用途に加え、自動車用燃料チューブや、温水用、オイル用耐熱・耐薬パイプなどにも使われるようになる。
――つまりわれわれ化学の門外漢は、知らぬ間にその恩恵を受けていて、これからもっとそれの世話になると言うことだろう......。