サイバー空間とリアルの融合

政府の第5期科学技術基本計画に基づき、日本経済団体連合会も今年2月、『Society 5.0実現による日本再興』と題した資料を公開し、官民挙げて「超スマート社会」の実現に向けて取り組んでいることを、積極的にアピールしている。

(BP-Affairs編集部)

あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や人工知能(AI)、ビッグデータ等を活用し、バイオテクノロジーなど生命科学分野でのいっそうの進化も見られるだろう「超スマート社会」(Society5.0)は、サイバー空間とフィジカル空間(現実社会)を融合させたプラットフォームサービス、およびインフラにより実現される。つまりそれは、「ネットとリアルの融合」。いまもポケットやバッグの中にあるスマホでみられる、デジタルな仕組みとかサービスと、アナログの典型である人間とが情報や行動で結びついた世界、その発展形がSociety5.0なのだろう。

だったらこれも、と言いたくなる発表がきょう、「ひとにやさしく、つなぐデジタルを」とのスローガンを掲げるトライベック・ストラテジー株式会社と、ソフトバンクグループのリアライズ・モバイル・コミュニケーションズ株式会社によってなされた。両社は協業し、トライベックの国産マーケティングプラットフォーム「HIRAMEKI management®」において、リアライズ・モバイルのビーコン・ソリューション技術を活用した来店検知機能を提供するとのことだ。

デジタル上の行動分析だけでなく、ユーザーが購買に至るまでの段階で、ウェブと店舗をどのように利用しているかなどの詳細な分析が可能になるという。匿名化した顧客IDを用いた新機能は、次のような特長を備えている。

ー トライベック×リアライズ・モバイルの連携により、ユーザー行動を高精度に分析
ー リアライズ・モバイルのビーコン・プラットフォームとの連携により、HIRAMEKIに来店検知機能を追加
ー デジタルとリアルの行動を結びつけるカスタマージャーニー分析を実現
ー ビーコン利用環境の構築コストを抑えることで、低価格でのサービス提供が可能に

新機能を追加したHIRAMEKI management®により、分析の幅をデジタルからリアルまで広げることでサイトの来店率だけではなく、来店に寄与したコンテンツや来店前に閲覧していたページ、来店後の店舗内の動きまで分析することが可能となり、長年マーケターの悩みでもあったデジタルとリアルの垣根を超え、生活者の行動パターンを深く読み解くことができるという。