どこからの受注も、どこへの発注も、ひとつの仕組みで繋げる

中小企業の生産性をより一層向上させることを目的に、中小企業庁が公募し、ITコーディネータ協会が受託した中小企業等の業種の垣根を越えた企業間の電子データ連携に関する調査事業――平成28年度「経営力向上・IT基盤整備支援事業((次世代企業間データ連携調査事業)」が始動した。

そしてきょう、日本情報通信株式会社(NI+C)と株式会社インフォマートは、花王株式会社と共同で、中小企業庁から採択された業務品の卸・小売業界における共通EDI連携の実証検証を今月から開始すると発表した。

業務品卸・小売(中小企業側)の様々なIT化の進捗(実態)にあわせた効率化の実証と飲食業や花王以外のメーカーともつながる基盤として、業界を挙げたEDI促進のきっかけとなることを目的としている。
実証プロジェクトのひとつとして、花王とその業務品を扱う卸・小売企業の受発注業務を、インフォマートの「BtoBプラットフォーム」とNI+Cの「EDIPACK®」で連携し、出荷/仕入、請求/支払までシームレスな連動による業務効率化の成果を検証するという。

同事業の成果見込みは以下の通りだ。

<中小企業側>
・仕入れ商品の問い合わせ作業を効率化
・メーカー別の発注書への転記作業をゼロに
・メーカー別の発注書のFAX送信作業をゼロに

<メーカー企業側>
・新商品、商品改廃、価格等の連絡業務を効率化
・FAX受注の入力作業をゼロに

商行為を格段に効率化し、生産性向上・時短とコスト削減・ペーパーレスによるエコを実現するインフォマートの「BtoBプラットフォーム」とともに、この実証実験の基盤となる「EDIPACK®ソリューション」は、NTTと日本IBMの合弁会社として誕生したNI+Cが2008年、花王より花王インフォネットワーク(株)の発行済全株式を譲り受けてのち事業を行っているもので、もとは花王グループにおけるEDIシステム構築や運営のノウハウをベースに開発され、1996年に市場に投入されたEDI統合ソリューションであり、パッケージ販売のほか、ASPサービスでの利用が可能とのこと。

――包括的、かつ連携が密なわけだ。